Warum ist das Fragen sinnlos? なぜ問うことは無意味なのか?

vier Monologe nach Franz Kafkas Tagebüchern

for clarinet, violin and piano (2018)

フランツ・カフカの日記による4つのモノローグ

クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための(2018)

Duration: ca.9’

演奏時間:約9分

trans- II トランス- II

for Soprano, Euphonium and Live Electronics (2016)

ソプラノ、ユーフォニアムとライブ・エレクトロニクスのための(2016)

Duration: ca.19’

演奏時間:約19分

プログラム・ノート:

「trans- II」は、女声、フルートとエレクトロニクスのために書かれた「trans-」の続編で、一人の女性の内的対話をテーマにしています。曲は5つのパートからなり、第1パートと第4パート、第2パートと第5パートがそれぞれ対応しています。独立した第3パートが鏡のように時間の中心にあり、それを挟んで2つの要素がそれぞれ並んでいます。曲中で使用されるテキストは、フランツ・カフカの「ミレナへの手紙」からの抜粋です。カフカの多数の手紙の中で示される、他者と繋がる際の内的葛藤や、あまり双方向的とは言えないコミュニケーション作法などが、「trans-」のテーマと重なっています。曲中、奏者は照明で区切られたステージ上を移動しますが、これは一つの部屋をイメージしており、この舞台設定についても、カフカの手紙の一節から着想を得ました。タイトルである「trans-」は接頭辞として「越えて」、「貫いて」、「他の側へ」などの意味を持ちますが、「transmission」、transform」など、語尾に他の語を必要とし、それ自体では語として自立し得ない形態素(言語学の用語で、意味を持つ最小の単位)です。そこから孤独や空虚さ、思考や感情の伝達の難しさを連想し、タイトルに据えました。

Night-Angle 夜-角度

for Accordion and Piano (2015)

アコーディオンとピアノのための(2015)

Duration: ca.9’

演奏時間:約9分

Program Note:

The title of this piece is an anagram of “Nightingale”. Before I started to compose, I listened to the piece called “Entente for Accordion and Harp” composed by an American composer and accordionist,  James Nightingale. The beginning of this piece and the fact that the accordion sounds in higher register are similar to birdsongs somehow inspired me to compose this piece. This piece consists of three short movements. I composed the second movement at first, then the third movement and the first movement at last. The theme while composing this piece to me was to cut. I cut the materials as if I make a sculpture, I trimmed them and I cut further details. For the pitch materials, I made a matrix which is based on the Serial I made and I took the combinations of pitches from the matrix relatively freely. Both the first and the third movements are based on the materials which are used at the second movement and they are as mirrors put between the second movement. In the all movements, there are two contrasting sections and they are repeated alternately. The finger actions of Piano are treated as switches to switch each section. I am often inspired by films. Switching sections in this piece is like switching cameras in a film. Once cameras are switched, we watch another scene. Then cameras are switched back, but we can not watch the same scenes exactly because the time has past. This sort of irreversibility fascinates me a lot.

プログラム・ノート:

タイトルはナイチンゲール(Nightingale)のアナグラムです。この曲はアメリカ人作曲家、アコーディオニスト、James Nightingaleのアコーディオンとハープのための”Entente”の冒頭部分と、鳥の鳴き声とアコーディオンの高音が似ている事にインスパイアされ作曲されました。曲は短い三つの楽章から成立しており、始めに第2楽章が、その次に第3楽章が、最後に第1楽章が作曲されました。この曲は、削るという事をテーマにしています。彫刻を作るようにまず大まかに素材を切り出し、曲全体の形を整え、その上でさらに細部を削って行くという手法で作曲されました。音高素材としてはセリーに基づくマトリックスを作り、その中で様々な組み合わせを比較的自由に取り出しました。第1楽章、第3楽章ともに第2楽章で使われる素材が基になっており、第2楽章を挟む二つの鏡のような形になっています。全楽章とも対照的なセクションが交互に繰り返され、セクション間の切り替えはピアノの打鍵がスイッチ代わりになって起こります。私はよく映像作品から影響を受けますが、この曲のセクション間の切り替えは映像作品におけるカメラの切り替えと同じです。カメラが切り替わり、今までとは違った場面が映し出され、また元の場面にカメラが切り替わります。しかし、時間は経過しているため、全く同じことがそこで再現される訳ではありません。このような時間の不可逆性に私は魅了されます。